ドラマ

「家政婦は見た」初回は悪女。最終回は人情おばさんだった。

目次

「家政婦はみた」全25話 初めて観ました

市原悦子は好きだけど、
代表作「家政婦は見た」は観たことがなかった。

お人好しの家政婦さんが上流社会のトラブルに巻き込まれ
「困ったわ-」とオロオロするドラマだと思ってた。

ところが、どっこい。

ヒルネ
ヒルネ
家政婦はめちゃ悪女だった。

家政婦が秘密を暴き出し
上流家庭を破壊し満足するという腹黒ドラマだった。

第1回目「家政婦は見た」
若い市原悦子は根性の座った悪女

ドラマ「家政婦は見た」の初回放送は、1983年7月2日。
タイトルは『松本清張の熱い空気-家政婦は見た! 夫婦の秘密「焦げた」』

知らなかった!

ヒルネ
ヒルネ
松本清張原作だったのか

そりゃ面白いはずだ。

第1話から線路沿いの「家政婦紹介所」が登場。
(2話以降は「大沢」家政婦紹介所なんですが
初回は「協栄」家政婦紹介所になっている。)

そして、家政婦「市原悦子」登場。
お馴染みの「のぞき」シーンから始まる。

役の設定はバツイチの30代。
離婚したせいか、世の中を斜めに見ています。

市原さん、
若くて好奇心むき出しの顔をしてる。

隣の美しい若奥様は、吉行和子。
吉行さん、昔はこういう奥様もやってたのね。
意外だわ・・・。

初回からお気に入りの餃子ギャザーのバッグを持ってます。

そして「家政婦は見た」のアイドル、
仔猫の「はるみちゃん」も初回から登場。

初回から「はるみちゃん」に
「都はるみ」を歌って聴かせてる。

はるみちゃんは毎回登場するけど、全然成長しない。
永遠の「仔猫」なんだよね。
「柄」も毎回違うし、毎回別猫。
都市伝説のような猫である。

そして、家政婦紹介所の会長&大家さんも初回から登場。


大家さん役「野村昭子」は
初回から髪型もずっと同じ。
おそるべき安定感です。

初回の「天丼シーン」が面白すぎる

幸せそうな大学教授の家庭の不倫騒動を暴き、家庭を破壊しつくした後、
家政婦は「特上天丼」を電話で注文。

この悪そうな笑顔。
いいねぇ。

誰もいないのをいいことに、
リビングのソファーにごろーんと身を投げる。

そのうち出前が到着。
「特上天丼」を美味しそうにがっつく。笑)


特上天丼(1500円)を「まぁまぁね・・・」と言いながら
パクつく姿に余裕を感じる。
これ初犯じゃない。
常習犯やな(笑)

ヒルネ
ヒルネ
勤め先のリビングで、
天丼食べるとはやるなぁ

この天丼シーンは初回のみ。
天丼シーンはパターン化されなかったみたい。
面白いんだけど(笑)

お馴染みの「因果応報の負傷」も初回からあります。

天丼を食べている途中で、
火がついたおもちゃの矢が耳に命中して(!)怪我します。

ヒルネ
ヒルネ
痛そう!

ぎゃー!

白熱の顔芸!
痛そうだけど、面白すぎて笑ってしまう。

その後負傷しても反省もせず、ケロッとしてます(笑)

このドラマでは赤い衣装が多い。
赤いチェックのパジャマもかわいい。

このドラマが大好評で、
TV局側は続編制作を希望したが、
原作者「松本清張」が続編にNGを出したそう。

そこで、主人公の名前を変えて
(河野信子→石崎秋子)
続編スタートになったそう。

それが25作も続くお宝シリーズになるとは・・・
続編は作ってみるものだ。

「家政婦・秋子」の魅力はどこにある

ヒルネ
ヒルネ
25作まで続いた理由はなんだろう。

1つは、上流社会のスキャンダルを暴く面白さ。
2つめは、秋子さんのキャラがユニークだったから。

ヒロイン秋子の行動は、いろんな側面があって面白い。

都はるみが大好き

冒頭のシーンで、
毎回「都はるみ」の歌を歌いながら
洗濯物を取り込む。
(パジャマは毎回水玉だ)


メジャーなヒット曲から
マイナーな曲まで幅広い選曲。
熱烈なファンという設定ね。

魔性の猫を飼っている

はるみファンが高じて、
飼猫にも「はるみちゃん」と名付けている。

↓可愛い仔猫なんだけど、毎回柄が違う・・・(笑)

はるみちゃんは、永遠の仔猫。
永遠に大きくならない。
毎回しらじらしく
新しい仔猫が登場します(笑)

 

好奇心が強すぎる

家政婦として、
「家庭の秘密」を知ることに
全エネルギーを注ぐ。

「知りたい」欲が秋子さんの原動力。
ついでにスパイ活動もするのだ。

スパイの副業もする

派遣先の不倫や主導権争いで、
「●●を見張って」とか
「尾行して」と依頼される。

「スパイの真似事なんて、
できません・・・」といいながら、
現金を渡されると、すぐ引き受ける。

報酬はだいたい1~2万円くらい。
万札に弱いのだ。

 

おじいちゃんにモテる

ふっくらと母性的な見た目の秋子さん。

「天女のようだ・・・」と派遣先の家庭で、
おじいちゃんに懐かれる。

特にボケはじめたおじいちゃんに
抱きつかれたりして大変だ。

派遣先で、モノをよく破壊する

プロ家政婦「秋子さん」は
意外とおっちょこちょい。

ヤクザの家で「固めの杯」を割っちゃったり、
茶道家元の家で由緒ある花筒を割ったり、
大事な物をよく壊す(汗)

ヒルネ
ヒルネ
調子にのって、
固めの杯を割っちゃった!

そんでもって、ピンチ!のときに、
秋子さんをかばってくれた男性に惚れちゃうの(笑)

秋子さんは惚れっぽいのだ。

イイ男にすぐ惚れる

派遣先で、骨太なイイ男がいると、
秋子さんはすぐ惚れてしまう。

向こうも秋子さんに優しいし
好きになるのも分かるけど・・・。

ヒルネ
ヒルネ
でもその恋は
成就しないんだよね(涙)

おだてられると、調子にのりやすい

「秋子さん、さすが!」とおだてられると、
調子に乗ってしまう。

「秋子センセイ、教えて~」と
おだてられると、にわか教師になる。

こんな風に、派遣先で学んだ知識を
家政婦協会のメンバーにいつも教えてます。

お金は貯めているが、想定外の出費が多い

しっかりしている秋子さん。

コツコツ堅実に貯めているけれど、
株で損したり、
泥棒に盗まれたり、
予想外に損をする。

そんな時も、秋子さんはめげない。

涙を飲んで痛みをやりすごし、
秋子さんは前を向いて稼ぎに行きます。

秋子さんの魅力は「めげない」ところ

秋子さんは若いころ結婚していたが、
小さな子供を亡くし、
夫の浮気発覚で離婚。

それからずっと
家政婦稼業で身を立てている。

そんな過去から、
世の中を斜めにみている。

「秘密のない家庭なんかない。」
が口癖だ。

知りたがりで、ちょっと意地悪。

情に弱いけれど、ずるずる流されない。

ずる賢いつもりで、抜けている。

恋する気持ちを忘れない。

もしや・・・と期待するチャンスには、
透けるネグリジェで準備万端しちゃう(^^)

イタいけど、親近感のあるおばさん。

視聴者は、いぢわるなところも含めて
秋子さん目線でドラマを観ていく。

最初はバリバリの悪女だったのが、
だんだん人情おばさんに変身したのは
秋子さんが年をとって丸くなったのか。

世の中が無難を求めるようになったのか。

ヒルネ
ヒルネ
個人的には、ずっと悪女のままでいて欲しかった

次は、秋子の愛した男たちを見ていこう。

秋子が惚れた男たち

伝説の相場師(丹波哲郎)

第7回「華麗な一族の怪しい秘密
財テクゲームの危険な落し穴」に登場。

株の仕手戦に狂乱するエピソードで、
「伝説の相場師」として登場。

熟女にも若い女性にも手を出す
モテ男で、油断もスキもない。

そんな彼だが、今は妻に逃げられ、
小学生の息子を連れて
ボロアパートで暮らしている。

秋子さんもアパートでご飯を作ってあげて、
彼も秋子さんに優しいもんだから、
また好きになっちゃった・・・。

だけど彼の情事シーンを目撃して
ショックを受け逃げ出す。

秋子さんは、彼の情報で
株で儲けようとするが
売り時を逃して、大損(>_<)
恋もお金も苦い結末になりました。

熱血漢の予備校教師(前田吟)

第9回「有名進学塾マドンナ教師の妖しい秘密
年商1兆3,000億受験産業を覗く…」で登場。

秋子の幼なじみで、弱小予備校の熱血教師。

美人マドンナ教師の妻はそんな彼に愛想を尽かし、
離婚し、大手予備校に転職。
元妻とは敵対関係に。

落ち込む彼をなぐさめるうちに
秋子は彼が好きになる。

彼と予備校の生徒と
一緒の遠足のために
せっせとお弁当を作る
いじらしい秋子さん。
乙女である。

でも・・・
彼は別れたはずの妻と裏で結託し、
大手予備校の情報を盗んでいたのだった・・・。

秋子さんは体よく利用されただけ(>_<)
これもほろ苦い結末だった。

 

昔気質の寡黙なヤクザ(中条きよし)

第11回「命を張った好奇心
秋子が惚れた極道の危険な秘密」で登場。

ヤクザの組長の家に派遣された秋子さん。
(面白そうだからと自分から志願した。)

ムショから帰ったばかりの一匹狼のヤクザ。
顔も男前だが、行動も男前。

固めの杯を割ってしまった秋子さんを守るため、
「自分が割りました」と嘘をついてかばってくれる。

そんなことされたら、秋子さん

ヒルネ
ヒルネ
惚れてしまうやろー。

命を狙われた彼と一緒に逃げ、
大沢家政婦紹介所に匿い、命がけで彼を守る。


さらに、敵のヤクザから情報を得ようと
関西ヤクザの姐さんになりすます(笑)

ヒルネ
ヒルネ
秋子さん、ノリノリです

こんな帽子、どこに売ってるのよ。

 

「ワテがいたら、大阪じゅう血の雨が降るさかいな」
「この年でコールガール思われたら、光栄や」
「舐めたらアカンで、ワレ」

ヒルネ
ヒルネ
いまどき”ワテ”って!(笑)

棒読みの関西弁が下手すぎて、最高!
こんなぎこちない関西弁に騙されるヤクザがいる訳ない!

面白すぎて、何回も見直しちゃった。

この「秋子姐さん」は大好評だったようで、
第17回にも再登場している。

中条きよしと市原悦子の組合わせは意外だけど、
中条きよしにドキドキする秋子さんは最高に可愛かった。

まぁ、これも苦い結末で終わるんですけどね。

名門茶道家の庭人(林隆三)

第20回「名門茶道家元一族の相続争い
乱れに乱れたからみ合い!」に登場。

裏方仕事を一手に担う「庭人(にわびと)」の林隆三。

名門茶道家の犠牲になって
無実なのに刑務所に行った過去もある。

黙々と仕事に励む彼に
彼女は惹かれ、相思相愛となる。

家政婦シリーズ中、
彼女と一夜を過ごしたのは彼だけだ。

「所帯を持つ」と約束して
新婚家庭を夢みて
家電一式をそろえるのだが・・・。
これも苦い結末になる。

秋子さんが家電代を立て替えていたので
かわいそうだった(>_<)

いろんな男に惚れたけど、
秋子さんと一緒になる男はいなかった。

現実は上手くいかないという
ほろ苦いシーンで終わるのが
家政婦シリーズのお決まりらしい。

女版「寅さん」みたい。

なぜ「家政婦は見た」は面白いのか

王道のマンネリを確認するのが愉しい

「家政婦は見た」シリーズは
次のマンネリパターンで進行される。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

都はるみの歌を歌いながら、
猫のはるみちゃんと話す。

家政婦仲間とごはんを食べながら、
派遣先のお屋敷のうわさ話をする

家庭の秘密がだんだん分かってくる。

秘密が暴露され、家庭崩壊!?

上流家庭のみなさんに秋子さんが説教する。
経費精算をして立ち去る。

最後に怪我をする。

次の派遣先に包帯姿で出勤
「大沢家政婦協会から来ました-」と
門の前で叫ぶ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

このマンネリパターン、
見続けていると、くせになる。

ヒルネ
ヒルネ
今回のはるみの歌は、”好きになった人”ね
ヒルネ
ヒルネ
今回は、どうやって怪我するのかな・・・?

この確認が毎回愉しいのだ。

上流家庭の秘密に、ヒネリ&オチが効いている。

秋子さんは好奇心赴くままに、様々な上流家庭ではたらいた。

大学教授
代議士
外交官
弁護士
会社社長
地上げ企業
茶道家元
踊りの家元
華道家元
大女優
ファッションデザイナー
ヤクザ
銀座のクラブママ

それそれクセのある上流家庭だったり
金持ちの家だった

最初は、分かりやすい秘密からすこしずつ漏れてくる。

よくある話よね・・・と見ていると、
途中で複雑な「ヒネリ」が入り、
最後は、身もふたもない「オチ」になる。

だいたいスカッとしない「オチ」で
収拾がつかない状態でラストを迎える。

この結末、どうするのよーって感じで終わる。

最初はそれが物足りなかった。
もっと「スッキリ」「スカッと」
終わらせてもいいのに・・と思っていた。
(2時間ドラマって、スッキリパターンが多いでしょ。)

見続けていくうちに、
この「モヤモヤ」感がいいと思うようになった。

秋子さんが「お人好し」じゃないから、
最後もシニカルな終わりでいいのだ。

世の中そんなに甘くない。

それくらいがちょうどいい。

ややほろ苦いところが、
家政婦は見たの魅力だったと思うのです。

ABOUT ME
ヒルネ
ただいまセミリタイア中。 やりかったことをすることで、自分のこれからを模索中。 カゴ編み、ひとりめしを研究中。おばあちゃん犬のシズカと暮らしてます。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です