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【感想】「生命式」村田沙耶香 人肉もいいねと洗脳されそうだ

ヒルネ
ヒルネ
こんばんわ、ヒルネです。

今回は、村田沙耶香の短編集。
「生命式」は2009年~2018年の間に発表した短編を選りすぐった問題作揃いだ。

村田沙耶香の小説には「人肉を喰らう」というエピソードが
繰り返し出てくる。

人肉を喰らうタブーを打破したいんだろうな。
そう思ってました。

タイトルの「生命式」はそのルーツともいえる短編だ。

なんたって、お葬式で死者の肉をみんなで食べるんだから。

ヒルネ
ヒルネ
まじですか

『生命式』死者の肉をみんなで食べる儀式

人間の肉を食べる。

文字を読むとギョッとするけど、
『生命式』の世界ではそれが常識だ。

人間は死後、肉体を調理され
(身内のものが料理する)
お葬式の出席者はありがたく人肉を食する。

お葬式は同時に男女の出会いの場であり
すぐにみんな交尾して受精を願う。
(人肉を食べたあとは、受精の確立が高まるらしい)

そんな訳で、最近はお葬式というより
『生命式』という呼び名が一般的なのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヒルネ
ヒルネ
人肉なんてどうやっても喰えないよ・・・。

そう思っていても、物語を読み進めると
人肉への嫌悪感がなくなっていく。

この世界に生きてたら、
普通に生命式に出て、
人肉料理に箸を伸ばしてしまいそう。

だって、亡くなった人も
焼かれて灰になるよりも
みんなの血となり肉となったほうが嬉しいんじゃない?

過去の常識に囚われずに
本能で感じようよ?

・・・・ヤバい。
ヤバい。

村田沙耶香に洗脳されるところだった。

ここで気を取り直して、次の短編に進むと
そっちもミラクルワールドだった。

『素敵な素材』人間の体も素材になる

『素敵な素材』とは、人間の死体のことだ。

この世界では、人毛100%のセーターは超高級品。
骨の指輪はステイタスシンボルだ。
家具だって、大腿骨の椅子
指の骨の時計が人気だ。
爪を鱗状につなげたシャンデリアも素敵。

人間の素材は温かみを感じると大人気なのだ。

それなのに。
ナナの婚約者ナオキは人間の素材が大嫌い。
残酷で嫌悪感を感じると怒る。

ところが。
あるモノを見て
結婚式に人間の素材を身につけようか
ナオキの心が大きく揺れる。

そのあるモノとは・・・・?

人間の素材はわたしたちに最も近い。
人間の素材に包まれると温かさに包まれる。
死んでからも大切な素材として活用される。

それって素敵なことじゃない?

・・・・ヤバい。ヤバい。

またまた
村田沙耶香に洗脳されるところだった。

常識を疑え。
本能も疑え。

村田沙耶香にも騙されないぞ。

というのが感想です。

表示の作品は「人毛アート」

表紙の『人毛の燭台』がじわじわと不気味だ。
(褒めてます。)

てっきり『素敵な素材』から連想したイラストかと思っていたら、
人毛を使ったアート作品だった。
タイトルは『3つの脳』
高橋涼子というアーティストの作品らしい。

村田沙耶香作品の世界観と
響き合っている。

こちらも表紙デザインは 鈴木成一デザイン室でした。
ゾワッと眼を引くデザインだと思ったら、
やっぱりそうか。

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ヒルネ
ただいまセミリタイア中。 やりかったことをすることで、自分のこれからを模索中。 カゴ編み、ひとりめしを研究中。おばあちゃん犬のシズカと暮らしてます。

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