BL沼にはまったヒルネです
『目を閉じても光は見えるよ』
心のツボにはまりました。
何度も読み返しては
いい映画を観た後の気分になる。
丸木戸マキセンセイ、すごい人だ。
ゲスなもの、清らかなもの、
すべてが混ざりあって、
白い光に昇華したような物語でした。
目次
ゲイビデオ撮影現場から愛が生まれる
あらすじ
人気AV男優の仁(じん)はある日、ゲイビ出演の話を持ちかけられた。
女性向けのゲイビレーベルだ。
チェーリボンボンの売りは「バディ制」
「疑似恋人制」です。
仁は、ネコ男優の光(ひかる)とカラダの相性がよく、
人気バディとなった。
撮影現場ではカラダの相性がいい2人だったが、
プライベートでは接触がなかった。
ある時、光がストーカーに狙われた事件をきっかけに2人の距離が縮まった。
仁はだんだん光を可愛く思いだし、光も仁に懐いていく。
そんなとき光の壮絶な過去が暴露される。
光は迷惑をかけたくないと、AV男優を辞めてしまう。
人生をあきらめたような光を見て、
仁は光を過去から解き放ちたいと願うのだが・・・。
フィクションの中から愛は生まれるのか。
カラダから始まった感情は愛になるのか。
暗いなかに仄かな光を感じる物語。
いい映画を観た後のように
頭の中で好きなシーンを何度も思い出しました。
ネコ俳優 光
可憐なルックスとプロフェッショナルなエロテクで人気のネコ俳優。
「男はダメでも光なら抱きたい」とノンケも惑わす魅力がある。
幼いころから売春を強いられ、壮絶な過去を隠し持つ。
タチ俳優 仁
女性相手のAV俳優だったが、
そういう雰囲気になれば男にも勃つという特技(笑)を持つ。
光とのバディがきっかけで、人気のバリタチ男優となる。
仕事仲間としてはプロ意識が高くイイやつだが、
恋愛相手としてはヤリチンでゴミカス。
競演のAV女優にガチ惚れされやすく、
騙されてできた子どもがいる。
今は、14歳の息子と離れて暮らす。
光の言葉「たとえ一番じゃなくても・・・」
このBL、心にしみる言葉がいくつも出てくる。
光が仁の息子に言い聞かせることばがそうだ。
仁の息子(14歳)は母親の育児放棄で、
仁と暮らすことになる。
ずっとほったらかされていた反動で、
父親に激しく反抗する。
父親の隙をみて家を出て、光のところに逃げてくる。
普段はクールな光だけど、傷付いた人には優しい。
(仁の息子だから優しいのかも)
「愛情を細かく稼いで生きていく」
学校では元AV女優の母親のせいで苛められるし、
「母親も父親も自分を1番に考えてくれない」と嘆く息子くん。
この言葉、胸に刺さった。
たとえ1番じゃなくても
2番とか3番とか10番とか
100番くらいの愛情を細かく稼いで
生きていくしかないときもある
光は下手なウソは言わない。
自分が実際に学んだ術を語ったんだろう。
その上で希望を与える言葉も続ける。
光自身はあきらめているけれど。
そこが切ないよ。
光は魔性のネコ
光の優しさに触れ、
「男なんてありえないけど、光はありかも」
くらっときちゃう息子くん。
仁の息子だけあって、すぐエロに持ち込もうとする。
(それは犯罪だから・・・と断られる)
あきらめきれず、キスならいいでしょ?と粘る(笑)
キスならいいか・・・と甘く考えていたけれど?!
中学生のくせに~。
この後のキスがエロかった。
さすがAV男優・仁の血を引く息子クン。
将来がおそろしいというか楽しみ。
この後に光が返す言葉が傑作。
ネタバレになるから書かないけれど、
興味のある人はぜひ読んでほしい。
懐のデカいマリコの言葉
「塵とか埃だって・・・きれいじゃない?」
「目を閉じても・・・」は脇役たちのキャラが濃い。
プロデューサー兼監督「マリコ」は、
人として器がでかい。
こういう人間にわたしはなりたい。
まず、仕事ができる。
人の気持ちにも敏感だ。
光と仁の恋愛感情にもすぐ気づいて、
サバサバと突っ込みを入れるところもいい。
AV男優を辞めた後も、
光のことを心配する優しさよ。
極めつけがこの言葉。
塵とか埃だって光をあてたら
案外キラキラして綺麗じゃない?
わたしの仕事ってそういうことだと思うのよ
マリコ姐さん、大好きだ。
こういう大きい人間になりたいなぁ。
光と仁の2人だけのエロシーンが美しい
AV撮影で、さんざんエロいことをしてきた2人。
教師と生徒とか、3Pとかさ・・・。
お互いの気持ちが通じ合い
初めて撮影抜きの2人だけで抱き合う。
タイトルと表紙につながる、綺麗なエロシーン。
このエロシーンが良かった。
ちゃんとエロくて、美しかった。
イイもの読ませていただきました。
丸木戸せんせい、ありがとうございました。
実写化するなら(妄想)
ありえないけど、
光はジャニーズのあの人かな・・・。
王子系の彼ね・・・。
(ご想像にお任せします)
今は40代だけど、彼が20代の頃を想像すると・・・
うわーうわー魔性のネコだわ。
仁は、松重豊のイメージでした。
彼が30代前半のころかな。
ちょっと強面だけどハンサムって感じかな。