目次
「富士山」のおめでたいお茶碗が大集合
そうだ、京都行こう。
また楽美術館にやってきました。
春期特別展は、楽歴代「富士を見る」
富士山は人気のテーマらしく、
歴代の楽家当主が手がけているそう。
一度にたくさんの富士山を眺めるのを
愉しみに美術館にやってきました。
どんな富士山に出会えるだろう。
楽美術館ならではの、富士の茶碗まつり
「不二之茶碗」の銘だけでも
9つのお茶碗がありました。
その他にも、富士山つながりの
珍しいお茶碗が気前よく
展示されていた。
富士の茶碗まつりは、
楽美術館ならではきらびやかさ。
そのなかで、印象に残ったお茶碗を2つご紹介。
実物の素晴らしさには及ばないけれど、
備忘録としてお楽しみください。
不二之絵黒楽茶碗:10代旦入(たんにゅう)
優美でシュッとした稜線の富士山。
ヘラ跡が「富士の峰にかかる雲」
のようにお茶碗をぐるっと囲んでいます。
「スマートでかっこいい」
という意味の関西弁
10代・旦入が若い時に焼いたお茶碗らしい。
かっこよさを追求する若いエネルギーを感じます。
お茶碗の中に美しい釉薬の流れが見えます。
わたしがつま先立ちして、
ギリギリ見えました(^。^)
ぜひ実物で見て欲しい。
不二之絵赤楽茶碗:表千家六代 覚々斎
茶道の表千家の当主がつくり、
楽家の六代目が焼いた赤楽茶碗。
(コラボレーションですね。)
本職じゃなくて「手遊び」
と称しながら大胆なお茶碗。
富士山のかたちが浮かび上がる。
伸び伸びと明朗な富士山も
いいなぁ。
“山つながり”で、可愛らしいボッテリお茶碗
このお茶碗も可愛らしさで
目立ってました。
山之彫黒楽茶碗 銘「磐梯(ばんだい)」:14代覚入
頂上のギザギザラインは、
福島県の磐梯山を描いたものらしい。
(銘も磐梯だしね。)
磐梯山を富士山風に白く
描いてみたこどものようなお茶碗です。
暖かみやユーモアが漂う、
ぼってりとしたお茶碗。
丸っこくて可愛いお茶碗でした。
富士山つながりの白いお茶碗
白いお茶碗も美しかった
香炉釉井戸形茶碗 :2代定慶
志野焼に影響をうけた白いお茶碗。
何カ所か「金継ぎ」の跡がある。
白の貫入に、
金がポツリポツリと現れて
色合いが美しい。
見えてきました
白楽茶碗 銘「冠雪」:本阿弥光悦
天才「本阿弥光悦」が手遊びでつくり、
楽家の2代・3代当主が焼いたお茶碗。
光悦独特の四角いフォルムに、
温かみのある白。
洒落ている。
何度観ても、素晴らしいです。
今回の茶入れ・棗・香合も面白い
今回、茶道具の中でも、
人気の高い「茶入れ」の展示もありました。
伊賀肩付茶入れ「山本」写し :11代慶入
表千家所有の茶入れ「山本」を
11代が伊賀焼で写した茶入れだそう。
陶芸も「写し」があるんだね。
こんな風に、「仕覆(しふく)」と並べて
展示されています。
胴の歪みや蓋のよごれも
忠実に写したんでしょうか。
陶芸は、絵画よりも
「火」の偶然の影響が大きそうだから、
写しつつも、独自の表現が生まれそう。
薄いペパーミントグリーンが
爽やかでした。
赤楽棗(なつめ):12代 弘入
「なつめ」は、「漆塗りの木製」が一般的だけど・・・
焼き物で、ふた付きは難易度が高いのに、
こんな形ができちゃうのか。
胴に、蛍のような赤が点々と飛んでいます。
菊起上蛤蒔絵香合:5代宗入
蛤のかたちの香合に、白菊が咲いている。
菊の花びらや花心の細工が細かくて
じーっと見入ってしまいました。
大輪の菊が咲き誇ってます。
フランスの象脚に、衝撃を受ける
こちらの作品。
フランス焼締 象脚花入 銘「普賢」:15代吉左衛門
今の家元が2010年フランス逗留中に、
フランスの土・釉・窯で作陶したそう。
📷真正面からの景色
「象脚花入」の名前の通り、
象の脚のように
ざらつき、ゴツゴツしている。
周囲を制圧するようなかっこよさがある。
銘は「普賢」
普賢(ふげん)とは、普賢菩薩のことらしい。
象脚と菩薩は、わたしの中では
まだつながらないけれど、
心構えがなかった分、
ほんとにびっくりして面白かった。
📷横からみると、さらに「象脚」ってぽい。
楽美術館、何回来ても愉しめます
今まで何回か楽美術館に来ているけど、
毎回面白い。
前回の「変わる」企画展
「本阿弥光悦と楽焼き」もすごかった
今回も、面白かった。
楽美術館は、こじんまりしつつ、
センスが良くて、落ち着く。
休憩室で、楽茶碗の書籍も自由に読める。
楽美術館の受付のおじさま(きっと偉い人だと思う)が
日本人離れをした、渋くてかっこいいおじさまです。
欧米映画の「執事」みたいな風格があって、
緊張しながらも、毎回行くのが楽しみです。
休憩室からの庭も、
綺麗に整えられています。
エントランスの白椿は。
一重のやぶつばきかな。
今回の企画展も面白かった。
楽しみだ
楽家の当主は、楽美術館のお隣にお住まいらしい
ほんとに余談ですが、
楽美術館のお隣は、楽家のお住まいです。
大分前に美術館に行った時、
前を通ったら
15代吉左衛門さんが門から出てきはりました。
と思わず言ってしまった。
ミーハーな余談でした。
ではでは、また。