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奇天烈なロマン「日本史鑑定」
緊急時宣言で図書館もお休みになった。
手元の本を引っ張り出して読んでみる。
「日本史鑑定」
小説家「高橋克彦」と知の神「明石散人」の対談集である。
対談の内容が高度すぎて、
正直半分くらいしか分からない。
だから、何回も読み返しては
新鮮な気持ちで楽しめる。
(言い訳か)
それに、この対談集には
奇天烈なロマンがある。
それでいて、知の神と言われる人が語る歴史なので
トンデモ歴史本とは違って、
信憑性もあって、信じたくなる。
2002年初版の古い本なので、
今読むとしたら
古本か図書館かな。
日本史好きにはおすすめです。
浦島伝説と天皇家の関係は?
特に奇天烈なロマンを感じるのが
「浦島伝説で解く天皇家の謎」
明石散人は古代天皇家が信仰していたのは
道教だと断定する。
明石説によると、聖徳太子の母・間人皇女が道教を大陸から伝承。
聖徳太子以降、天皇家では道教信仰が続いていたと推測する。
ただし、天皇家の道教信仰は巧妙に隠されている。
道教の痕跡はこんなところに現れる。
日本独自の「改元」
古代日本ではしばしば奇妙な亀が現れると改元する。
道教は亀(玄武)を重んじており、
奇妙な亀は天からのメーセッジだった。
確かに、不思議な姿の亀が献上されると
天皇が退位を決め、年号が変わるエピソードを読んだとき
亀が政治を左右するなんて不思議だなと思っていた。
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2021/05/2537246.jpg?resize=512%2C384&ssl=1)
なるほどなぁ。
神様には逆らえないね。
そして明石説の解釈はさらにつづく。
道教は、神=超能力者のもとに
人々の平等が約束される世界。
天皇家が目指したのは、
神=超能力者のポジション。
そしてさらに
人を超えた長寿でもある
天皇家は超能力を真剣に信じていたから、
「浦島太郎」の存在も信じていた。
だって、浦島太郎は大亀に乗って
異世界(蓬莱)へと旅した超能力者だったから。
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2021/05/1804187.jpg?resize=466%2C583&ssl=1)
浦島太郎は時代を超えた有名人
浦島太郎は子ども向けのお伽話だと思っていたが
史実に登場する一級有名人だったらしい。
なんと、日本書紀・丹後国風土記・万葉集・水鏡に記録されている。
『日本書紀』
雄略朝22年(西暦478年)に
浦島が日本を出発した。
ふむふむ、まず出発が記録されている。
日本書紀にわざわざ記録されているなんて
浦島太郎は重要人物だったんだ。
道教がらみの道士だったのでしょうか。
『水鏡』
天朝2年(西暦825年)に
あの浦島が帰ってきた
なんと、347年振りの帰還になる。
昔話のイメージで、50~100年くらいかと思ってた。
スケールが違った。
浦島太郎の帰還を待ち続けた天皇は
道教信仰の正しさの証明として、
大変に喜んだと記されている。
(玉手箱を開けて老人になった記述はないから、
後の創作と考えられる)
その後、浦島太郎は神として神社にも祭られている。
神の称号を与えられた初めての存在らしい。
そこからも、浦島太郎が実在したと推測できる。
(おまけ)浦島神社って、京都にあるんですね。
この「浦島太郎と天皇家の謎」の章は何度読んでも
ロマンをかんじます。
浦島太郎は帰ってきてから
どうしたんだろう。
長寿だから、もしかして今も生きている・・・?
いやいやまさか。
子孫がいるのかな。
子孫も長寿の一族で、ひっそりと日本のどこかで
生きているのかな。
スケールの大きいロマンが展開される。
そして天皇家は今も道教を信仰しているのだろうか。
などなど想像はさらに広がるのでした。