セミリタイア

「甘いお菓子は食べません」田中兆子。49歳無職の女が公園でへらべったくなってみる。

目次

中途半端な〈40代〉をもがきながら生きる
女性たちの物語

「もうセックスはしたくない」と夫から宣言された女。
セックス以外は夫婦仲がよくて、幸せなのに。

バリキャリの女性営業部長。
母が亡き後の父との関係、
反抗的な男の部下に悩む。
優しさはもってないから、
お金と胆力で解決したい。

アルコール依存から脱するために
ストイックに生きる主婦。
あんなに迷惑をかけたのに
夫はなぜ自分を見捨てずにいるのだろう。

夫がいてもいなくても。
子供がいてもいなくても。
悩み多き〈40代〉をジタバタ生きる女性の物語。

タイトルから、
毒舌で面白おかしく皮肉る話だと思い込んでいた。
予想に反して、
繊細でリアルに悩みながら
前向きに生きていく女性の物語だった。

なかでも心惹かれたのは、
49歳・無職の女が
公園に寝そべる話だ。

ヒルネ
ヒルネ
うつ伏せで
土の匂いを嗅ぎながら
公園で寝るお話。

熊沢亜理沙、公園でへらべったくなってみました。

主人公の亜理沙は49歳シングル。

ウィッグメーカーでリーダー職を任されていたのに
いきなり年齢を理由にリストラされる。

夫なし。
子供なし。
職なし。
貯金もなし。

再就職も上手くいかず、
投げやりになってくる。

昼間の公園は、
無職の人が多そうで
プレッシャーがなさそうな場所。

亜理沙は公園でぼーっとするうち、
地面にうつ伏せて寝るようになる。

草や土の匂いを感じながら・・・

うつ伏せに寝る。

うつ伏せに寝ると、
公園でもリラックスしちゃって、
ぐっすり寝てしまう。

”土に還る”気持ちよさを知る。

土に還りすぎて、

ヒルネ
ヒルネ
あのー、生きてますか?

 

と声を掛けられることも(^^;)

どうやら”死体”に間違えられたらしい。

公園でへらべったくなることで、
亜理沙はだんだん変わっていく。

へらべったくなる気持ちよさが
カラダに伝わってくる。

グダーッと気持ちよく脱力できた。

ヒルネ
ヒルネ
たまに
ふにゃっふにゃになりたい
中年女にお薦め

自分で選んだことだけど、
わたしもいま
会社員じゃなくって、
無所属です。

亜理沙に共感したのは
立場が似ているからか。

公園でいつかうつ伏せ寝してみたいなー。

近所だと見つかったら恥ずかしいから、
旅先の公園で実行しようかな。

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ABOUT ME
ヒルネ
ただいまセミリタイア中。 やりかったことをすることで、自分のこれからを模索中。 カゴ編み、ひとりめしを研究中。おばあちゃん犬のシズカと暮らしてます。

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