目次
オードリー若林が仕切る文筆系バラエディの書籍化
普段から人と違う視点で
世界をとらえている小説家たち。
小説家同士のトークは、
ぶっとんでいて面白そう。
本好き芸人・オードリー若林が
顔なじみの作家20人と語る番組が
BSで2016年にオンエアされていた。
(リアルタイムで観たかった・・・(T_T))
その大人気番組が書籍されたのがこちら。
番組のテンションが伝わってきて、
後追いで読んでも面白い。
登場する作家たちの顔ぶれがすごい
当代の売れっ子作家ばかり
出演者はオードリー若林の飲み友だちがメイン。
そのせいか、最初からぶっちゃけモードで語りあっている。
それぞれの回には
テーマが設定されている。
このテーマの設定も面白い。
テーマと出演者リストを見てみる。
異世代の人が納得しあうのにオススメの一冊
西加奈子×朝井リョウ
憧れの人やスーパースターにまつわるオススメの一冊
長嶋有×西加奈子
ネットとの付き合い方がわからない人のためのオススメの一冊
朝井リョウ×長島有
変態の気持ちがわかるかもしれないオススメの一冊
加藤千恵×村田沙耶香
肩の力を抜きたい人にオススメの一冊
平野啓一郎×山崎ナオコーラ
夫婦で読むのにオススメの一冊
佐藤友哉×島本理生
世界の実相を掴みたい人にオススメの一冊
羽田圭介×藤沢周
悩める20代の道を照らすオススメの一冊
海猫沢めろん×白岩玄
自意識をなんとかしたい人にオススメの一冊
中村航×中村文則
猜疑心に苛まれる人にオススメの一冊
窪美澄×柴崎友香
ズルしたくない人にオススメの一冊
角田光代×西加奈子
他人に寛大になりたい人にオススメの一冊
尾崎世界観×光浦靖子
西加奈子、朝井リョウは
スタメン?というくらい
何回も出演してて、
毎回面白い話を披露。
作家の内面を吐露するトークは
普段なかなか聞けないので、
面白い。
番組のルールは2つ
小説家と若林は、毎回“マイルール”を語る。
”マイルール”
これだけはする、これだけはしないという
自分に課しているルール。
例えば、若林は「派手な眼鏡をしているインタビュアーは信用しない」(笑)
過去の苦い経験から生み出されたルールみたい。
テーマに沿ったオススメ本を紹介する
作家たちのオススメに
今まで知らなかった
マニアックな本があって面白そう。
作家のマイルールと
それ以外の話が面白い。
真面目な「マイルール」を語りつつも、
それ以外の話がやたら面白い。
西加奈子の言葉ポリシー
まずは、西加奈子さんの文章のポリシーが意外だった。
エッチ、チューを言わない
セックスと言う。(西加奈子)
そう言われたら、西さんの文章に
エッチ・チューはなかった。
繊細な朝井リョウ(笑)
直木賞作家の朝井リョウの繊細さが面白い。
自分の名前でエゴサーチはしない。
著作名でエゴサーチをすると、余計な悪口をシャットアウトできる。
“顔キモい”とか“死んだサカナみたい”とか。(朝井リョウ)
そうね、ハンサムだけど
サカナっぽいのは当たってる。
Q.嫉妬する作家はいますか?の答えが良い。
嫉妬しかしてない。
まず同期。
窪美澄、柚木麻子、水嶋ヒロが同期なんですよ。
誰も抜けてないんです、発行部数で。(朝井リョウ)
Q.その人の本を読み終わった時に、キィー!となってるの?
なってます。
次は「私や!」(真顔)ってなります。(朝井リョウ)
むき出しのライバル心、
いいなー(笑)
センスの良い部屋を信用しない
長嶋有
続いては「長嶋有」
女性作家だと思ってたら、
なんとヒゲをはやした男性だった・・・。
文章が淡々と優しいから、
女性作家だと思ってた・・・。
彼の自分の部屋のセンスに関する言葉が面白い。
全部完璧なセンスにしてる部屋を信用しない。
普通に生きてたら、ノイズのようなものを
もらったりするはずなんですよ。(長嶋有)
そういうのも飾っちゃう人がいい。
というのもわかる。
天然の村田沙耶香は
真面目にクレイジー発言を・・・
そして、この番組でも異彩を放っている村田沙耶香。
クレイジー沙耶香として
作家仲間で愛されている様子。
殺人シーンを書くことができて、喜びを感じました。
「ここをこう刺したら血がいっぱい出る」とか
人体のことを調べたりして・・・・
作家は小説の中でしか体験できない場面を描いて
その中でしか出会えない言葉が探すことができるので
それはすごい喜びだと思います。(村田沙耶香)
想像できない過激さ。
ピュアに何かを追究するとこうなるのか。
山崎ナオコーラは
淡々と自分の道を行く
山崎ナオコーラの独特なマイルールがわたしは好き。
彼女は「夢中」が怖いという。
本も恋愛も夢中になるのがイヤ。
本も夢中で一晩かけて読んじゃうんじゃなくて、
ちょっとずつ読むのが好きなんですよ。怖いじゃないですか、自分じゃなくなるみたいで。
恋愛が好きな好きな人はそれがいいんでしょうけどね
(山崎ナオコーラ)
確かに、恋愛に夢中になりすぎると
自分がなくなるのは
わたしも危険を感じる。
自分をなくしても、危険じゃないから。
ナオコーラは、読書も考え考えしながら
読みたい派なんですね。
次の言葉も含蓄がある。
「あきらめる」という言葉がすべての言葉の中で一番好きなんです。
あとは、「いい人になることをあきらめる」とか。
どうぜ自分はこの程度の人間だからやりたいことをやっていいんだ。
と思える。すべてをあきらめるとすごくいいのでおすすめです。
(山崎ナオコーラ)
「あきらめる」のは
自分を知ること。
身の丈でやっていく。
この言葉に妙に納得してしまう、今日この頃。
実は、山崎ナオコーラさんのエッセイのファン。
「母ではなくて~」は、良い意味での「あきらめの本」。
おすすめです。
自分を救うものは何か?
角田光代×西加奈子
この回では、
小説の存在意義を問うている。
Q.もうダメだと思ったとき、
自分を救ってくれるのは
小説・音楽・映画・テレビ・お笑いのどれ?
今は猫です。猫の前は音楽でした。
小説は人を救わない。
少なくともわたしは小説では救われたことないって。
(角田光代)
一発でガァンと救ってくれるのは、プロレスとお笑い。
小説は後から長いスパンで、後からずっと効いてきます。
(西加奈子)
俺はテレビですね。お笑いも含めたテレビ。
ほんとうに絶望した時って、動けないんですよ。
(若林正恭)
答えは3人3様。
角田さんの答えが意外だった。
角田さんの小説で多くの人が
救われていると思うのに。
私の場合は、もうダメだと思った時は
時代小説を読む
時代小説は、鬼平犯科帳、
必殺仕掛け人、髪結い伊佐治とか
シリーズものがおすすめ。
キャクターが魅力的な時代小説を読むと、
江戸時代に一気にワープする。
日常生活から意識が離れると、
悩みを忘れて楽になるのだ。
本に関するエッセイはやっぱり面白い
ご本出しときますね?と読んで、
Amazonの「読みたい本リスト」が
さらに増えてしまった。
同時並行で、カリスマ書店員さんのエッセイも
読んでいたら、
さらにAmazonの「読みたい本リスト」が・・・(以下同文)
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オードリー若林のエッセイが絶品。
こちらもおすすめ。