人生、折り返してからの方が
楽しいってよ。
ジェーン・スーがのクセモノ8人と語り合った対談集。
40才オーバーならではの
心境・達観から生まれた
名言がポコポコ湧いてて
噛みしめながら読んだ。
いいなと思ったのは、
この紹介文。
考えることをやめない。
変わることをおそれない。
間違えたときにふてくされない。
オバさんならではの
賢さ・たくましさで
人生はもっと楽しくなるらしい。
ネガティブ過ぎず、
ポジティブ過ぎでもなく、
今を受け止めて、考えていこうぜっ・・
という本でした。
目次
対談相手のセレクトがまずマニアックで、面白い。
ジェーン・スーのファンなら、
と思うような
クセモノ揃いの対談者たち。
光浦靖子(タレント/手芸家)
山内マリコ(作家)
中野信子(脳科学者)
田中俊之(男性学・学者)
海野つなみ(漫画家・逃げ恥~が代表作)
宇多丸(ラッパー/ラジオパーソナリティ)
酒井順子(コラムニスト)
能町みね子(文筆業/自称漫画家)
それぞれの分野で
今勢いのある人たちだから
どの対談も深みがあって面白い。
自分への覚え書きで、
気になったところをかいていく。
中野信子(脳科学者)
自分の頭で考えないといけない時代
自分の耳が痛くなるような
鋭いツッコミの応酬談だった。
オバさんになるとさ、
ワンパターン思考になりがちだけど、
考える人だけが生きのこる時代。
考えること=脳に負担が掛かるから
脳はパスしがちなんだけど、
そこを頑張って「考えること」が強みになる。
考えるのが好きな人には
これからの時代は向いていると思う。
価値がどんどん変わるので。
(中野信子)
意志決定を気持ちよく思えるか。
(中野信子)
ドキッとしたよ。
その次の言葉も良いのだ。
人間は役に立つことのために生きているわけではない。
・・・・中略・・・・・・
面白いことのために私たちは生きているんだ。
それが存在理由だ、と先生との議論では結論したんです。
(中野信子)
それは分かる!
そこから2人の話は盛り上がり、
AI(人工知能)の普及で、
人間の仕事が代替されると
新しい局面が生まれてくる。
マイノリティが強みになる時代が来る。
疎外されてきた人たちにも、
有利とまではいかないけれど、
チャンスが回ってくるってことでしょう?
(ジェーン・スー)
ここからは「意識」「心」「身体性」の関連づけは難しかった。
私の中では消化しきれなくて、
まだ自分の物にならなかった。
もう一つ印象深かったキーワードは
「物語性の消失」
物語性が失われてきてると考えます。
(ジェーン・スー)
情緒過多なエンタメは、これからは受けない?という予測は
なんとなく皮膚感で感じるな。
もう情緒過多な語りはおなかいっぱい。
淡々と面白いデータ&分析語りが
これから来るといいな。
期待しています。
田中俊之(男性学・学者)
男性の生きづらさと女性の生きづらさは
コインの裏表。
男性が弱音を吐けない理由とか
男性が社会から受ける”圧”について
語る「男性学」の視点で、2人が語る。
おじさんは別のところで得をしているから、
多少は雑に扱ってもよいと思われているところ、
たしかにありますよね。
・・・・中略・・・・だって、得をしている男性ばかりじゃないから。
差し引きして有り余る得をしている男性は一部でしょ。
そして損ばかりしている男性に
溜まったストレスは自分より弱者に向けられる。
女、子供、小動物が攻撃対象に
なりかねないわけです。
だから、どっちか片方だけの問題が
解消されればOKとはならないんですよね。
背中合わせ。
ジェーン・スーって凄いなと思うのは
単純に「男性はズルイ・女性はつらい」
っていう発言をしないところ。
攻撃的なフェミじゃなくて、
お互いに助け合おうとする姿勢が
リアルだし、前向きやと思う。
こんな感じで男女が一緒の方向を向いて
進むのがこれからの時代なんだろう。
酒井順子(エッセイスト)
マテリアル・ガール vs.マテリアルボーイ
自分たちの親について、
「マテリアル・ガール」
「マテリアル・ボーイ」と
冷静に分析しあう
お2人のキャッチボールがすごみがある。
愛情やロマンスより、
お金や物のほうを重要視する女性の意味。
マドンナのヒット曲「マテリアル・ガール」からの引用だ。
40代以上じゃないとピンと来ないね(笑)
酒井さんのお母さんは既に他界されていて、
愛情を込めつつも、
自分の母は「マテリアル・ガール」だったと分析する。
その母に対して、自分は「モノ」を与えたと
酒井さんは言い切っている。
娘の愛よりも、物の方がよっぽど喜ぶから
潤沢に与えようと思ったんでしょうね。
(酒井順子)
いや、お金だけ与えて愛は与えない、
という罪悪感は持っていましたね。
だから母も孤独感は抱えていたと思います。
ご飯は一緒に食べたりはしましたけど、
ほんとうに愛情深い娘たちのような優しさは私にはなかった。
(酒井順子)
ここまで自分の内面をさらすって
肝が据わってる。
酒井さん、すごい境地に行っちゃった。
それに対して、ジェーン・スーも負けじとたたみかける。
わたしが子供の頃、
マテリアル・ボーイだった父は
週末に顔を合わせるたびに
わたしに向かって
「なんか欲しいもんないか?お金いるか?」
と言ってました。
(ジェーン・スー)
自分の親をここまで正直かつ
シニカルに語る2人はすごい。
たしかに、
ジェーン・スーの破天荒な父との
歴史を綴ったエッセイも
ぶっ飛んでいて、
スケールが大きかった。
だから、ジェーン・スーの文章が
あんなに面白いのかと納得した。
それ以外には、40代は「エアー子育て」がしたくなるというのも
自分ごととして興味のある言葉だった。
これだけ幅広いジャンルの人と語り合える
ジェーン・スーって、すごい。
「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」で
いきなりすごい人が出現したと思ったけれど、
さらに進化してる対談集だった。
幻冬舎Plusのサイトで
それぞれの対談の一部が読めます。
面白いので、ぜひ。
こんにちは~。ヒルネさんの日記でこの本を知り
図書館で予約して借りるのを待っています。
ヒルネさんは新刊もどしどし買われているようで、すごい!
図書館になくて読みたいときは買っています♪節約生活です^^
スーさん&中野信子さんのナマコ的人生も面白そうなので
『女に生まれてモヤってる!』も読もうと思っています。
https://www.news-postseven.com/archives/20190715_1406408.html
↑こちらは他の方のブログで知りました。
お気に入りブログを巡回していると、関心情報がヒットするんですよね。
葉桜さん、こんにちわ。わたしも「女に生まれてモヤってる!」図書館で予約してます。
「私がオバさんになったよ」の対談がさらに深掘りされているみたいで、わくわくします。
楽しみですよね。早く順番こないかな・・・。