目次
「読まなくていい本の読書案内」は
長年の研究・議論の結論が書いてある
「知の最前線を5日間で探検する」と豪語するこの本。
キャッチコピー通り、
とんでもなく知恵と労力が掛かった本だ。
最近40年に世界で学者たちが
研究を重ね、議論をしてきた
5つのテーマについて
最終結果を分かりやすく
コンパクトに要約している。
理解しつくしている訳で・・・、
「知の巨人」だと思う。
知の最前線 テーマは5つ
- 複雑系
- 進化論
- ゲーム理論
- 脳科学
- 功利主義
興味があるのは
脳科学・功利主義の4テーマ
コンパクトにまとめているにせよ、
内容は難しい。
結論を読んでも
ということが明確になりました。
背伸びはやめて、
分からないままに生きていこうと思う。
以下はなんとか理解できて、
面白かった点を抜き出しておきます。
進化論・・・「血縁」の最大化がポイントだった
わたしの理解では
「種族」が生きのこるために
無意識で進化すると思っていた。
ところが、生物は
「自分の血縁」を
できるだけ多く残すために
努力するのだ。
ハチも猿も・・・
人間もそうだ。
種族という大きな視点ではなく、
「血縁」という意外と狭い視点で
進化してきたのか・・・。
なるほど。
目からウロコなんだけど、
納得感がある。
脳科学・・・フロイトの理論はすべて間違い
フロイトの視点はその当時新鮮だったけど、
今では「エディプスコンプレックス」も
「ヒステリー」もすべてデタラメというのが通説なんだそう。
これをはっきり言い切って
くれたのがありがたい。
腑に落ちない
とずっと思ってた。
「フロイトの説では~」なんて
文章は無視すればいいんだね。
功利主義・・・「正義」の定義が新鮮だった
こころに残ったのは、この文章。
正義は娯楽である。
ひとは気持ちいいのは正しいことで、
不快なことは悪いことだと無意識に判断している。・・・長い進化の歴史の中で、
ぼくたちは「気持ちいい」ことをしていれば
たいていのことば上手くいくように設計されている。
制裁や復讐が正義になるのは、
自分の子孫を残すために
その行動が過去に有効だったからだ。
ふーん。
人は正義に熱狂するのか・・・・。
正義の定義付けがわたしには新しい枠組みだった。
今の功利主義の領域では、
正義はそうなっているのか・・・。
こちらも目からウロコでした。
こんなに知恵とエネルギーがつまった本、
すごいよ。
こんな面倒くさい本を、よくぞ書いてくれました。
ここに感謝を示します。