目次
「さかい利晶の杜」に黄金の茶室がやってきた
秀吉の「黄金の茶室」が「さかい利晶の杜」に来ているそうな。
あの黄金の茶室を観てみたい!
ということで、はるばる堺までやってきました。
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2019/03/IMG_1050.jpg?resize=506%2C694&ssl=1)
「さかい利晶の杜」は、
南海電鉄「堺市」駅から歩いて10分。
堺出身の名士「利休」と「与謝野晶子」の記念館です。
ちょっと不便な場所にあります。
覚悟がいるけど、今回は黄金の茶室のために
がんばってみた。
ほら、大々的に「黄金の茶室」をアピールしてる。
さっそく観にいきませう。
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茶室鑑賞+呈茶チケットで愉しもう
茶の湯発祥の地まで来たので、
やっぱり薄茶&和菓子もいただきたい。
茶室鑑賞ツアー+呈茶の
1,000円コースにした。
お茶+和菓子で1,000円はオトクだ。
今回この順番で鑑賞してみた。
●展示観覧(黄金の茶室はここで鑑賞)
↓
●さかい待庵/無一庵茶室見学
↓
●呈茶(薄茶&和菓子)
最初に秀吉の「黄金の茶室」を拝見
黄金の茶室は、金箔貼りの組み立て式茶室
豊臣秀吉が作らせた伝説の「黄金の茶室」。
贅沢の極みとして有名だ。
黄金の茶室で扇町天皇をお招きしたとか、
北野大茶会で一般大衆にお披露目されたとも。
●3畳の広さ
●組み立て式。移動して茶会ができる。
●天井・柱は金箔貼り
●茶碗・釜・台子などの道具も黄金造り
●障子紙は、赤の絹
●畳は、赤の毛織物
(燃えちゃったのかな。)
復刻品になりますが、本物の金箔貼り。
実際に招かれた気分になって、
鑑賞してみた。
雛道具みたいな小さなギラギラ茶室。
展示室入り口から、ずずーっと奥に展示されていた。
近寄って観てみると・・・・。
贅沢の極みというより、愛らしいおままごとの茶室みたい。
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茶室の中に入っていく気分で、
さらに近寄ってみた。
「お雛さま」の世界にまぎれこんだみたい。
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現代の照明のもとでは
「金色と赤」は悪趣味でギラギラに見える
ただ安土桃山時代だったら
薄暗い自然光のなかで
金箔が鈍く輝いていただろう。
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茶道具も、すべて金。
金貼りのお茶碗などは、お茶を点てると
少しずつ剥げていく。
当時もだんだんと金箔が剥げて
侘びた風合いになっていただろう。
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障子は紙ではなく、赤い絹織物。
(紋紗というらしい。)
黄金と透ける赤の組み合わせはエロい・・(;_;)
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奥の障子は花車のような模様が透けている。
ますます雛道具っぽい。
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この黄金の茶室は、京都市の復刻バージョン。
当時の文献を元に、復刻したそうです。
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2019/03/IMG_1094.jpg?resize=448%2C405&ssl=1)
そのほかにも復刻版はいくつか存在する。
●大阪城天守閣
●MOA美術館(静岡)
●長福寺(富山県)
大阪城天守閣に黄金の茶室が
あったとは、知らなかった。
灯台もと暗しだ。
今回は、さかい利晶の杜ならではの楽しみ方をしたい。
鑑賞しよう
いまなら、「黄金の茶室」と
利休の「待庵」「無一庵」が同時に鑑賞できる
利晶の杜では、利休設計の茶室(復元)を鑑賞できる。
「待庵」と「無一庵」だ。
待庵
利休作で唯一現存する国宝の茶室。
(現存場所は、京都府大山崎町の妙喜庵)
さかい利晶の杜では、創建当初の姿で復元。
無一庵
利休が北野大茶会で使ったとされる4畳半の茶室。
こちらも資料をもとに復元。
ガイドさんが茶室を案内してくれる
茶室見学は、当日受付でツアーに申し込みます。
少人数で、詳しい説明が聞けるし質問もできる。
ガイドさんに質問したら、豆知識をたくさんお話してくれた。
知りたいことがあったら、ガンガン質問すべしです(^^)
※📷待庵は撮影禁止。ホームページから写真をお借りしました。
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待庵:マニアックで「わびさび」をギュッと凝縮した茶室
待庵は、2畳の茶室。
第一印象は、
お客と亭主がお互いの息づかいが聞こえそうなほど、
距離が近い。
気持ちの通じ合った亭主と客なら
さらに友情が深まるだろう。
逆に悪感情をお互いにもっていたら、
この狭さだと圧迫感を感じて
悪い意味でドキドキしただろう。
大男の利休と小男の秀吉がこの茶室にいたら、
激しい感情が渦巻いて爆発しそうだ。
※📷待庵は撮影禁止。ホームページから写真をお借りしました。
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2019/03/9fae8aecb00c9e5739c5c21f6c89ac78.jpg?resize=613%2C408&ssl=1)
茶室の壁は藁をわざわざ塗り込めて、鄙びた風情にしている。
壁に着物が触れると生地が痛むので、
腰高まで和紙を貼って保護している。
(当時の暦を再利用して貼っている。
これも「わびさび」遊びらしい。)
壁も暗い緑色+藁で、渋すぎる。
男らしい、渋ごのみの茶室。
茶道は、当初「男だけの道楽」だった。
ヤツだけ招待してやるぞ
という意志を感じます
「無一庵」は軽やかな「わびさび」の部屋
北野大茶会の利休が使ったとされる四畳半茶室。
ゆとりがあり、素人もリラックスできる茶室だった。
無一庵は📷撮影OK。
袴のかたちをした珍しい入り口だそう。
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一歩中に入ります。
鄙びているけれど、洗練された室内。
塗り壁もほどよくザラッとした仕上がり。
四畳半の中程に、炉が切られています。
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天井には、天窓もあり明るい。
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2019/03/IMG_1065.jpg?resize=420%2C560&ssl=1)
窓は、待庵と同じ利休好みの仕上げ。
「葦」を組み、わざと「葛(かずら)」を巻き付かせている。
(「かずら」が土壁から生えてように
わざわざ造ってるのだ。)
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2019/03/IMG_1061.jpg?resize=390%2C520&ssl=1)
柔らかい印象の天井。
真菰(まこも)を黒く染めて
細い竹の間に敷きつめている。
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床の間にも窓がある。
床の間に飾った「書」をじっくり読むための窓だそう。
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2019/03/IMG_1069.jpg?resize=377%2C503&ssl=1)
にじり口も意外と高さがあり、入りやすそうだ。
無一庵は、今でも実際に茶会で使用することもあるそう。
ここなら、心地よくお茶が愉しめそうだ。
大衆向けに洗練された軽やかな茶室。
ここの茶室が心地よかったな
黄金の茶室vs利休の茶室を観た感想は
キンキラの「黄金の茶室」と、
渋好みの「待庵」はまさに両極端。
正直どちらも極端すぎて、落ち着かなかった。
利休が一般大衆向けに設計した
四畳半の「無一庵」がしっくりきました。
わびさびも、ゴージャスも
究めすぎると、心がついていけません。
“軽やかさ”が重要なのかも。
最後に薄茶と和菓子でほっこり
さかい利晶の杜では、「立礼呈茶」が愉しめます。
立礼呈茶
椅子に座ってお茶を点てるスタイル。
お客も椅子に座るスタイル。
正座しなくていいから、緊張せずにいただきます。
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立礼呈茶ですがちゃんと床の間もあります。
(御軸は説明していただいたのに、
メモを忘れてしまった・・・。残念。)
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2019/03/IMG_1123.jpg?resize=470%2C352&ssl=1)
茶花は、椿・雪柳・あじさいの取り合わせ。
もうあじさいも芽吹いてきて、
春がやってきてます。
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今日は、武者小路千家のお手前です。
(表千家・裏千家・武者小路がそれぞれ交代で
担当されています。)
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堺の和菓子屋さん「宝泉菓子舗」製。
銘は「春の野」でした。
薯蕷(じょうよう)饅頭で、
柔らかい口どけでした。
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2019/03/IMG_1118.jpg?resize=459%2C344&ssl=1)
薄茶を目の前で点てていただいたのに、
📷お薄の写真を撮るのを忘れてしまった。
青というか緑も混じった楽茶碗のような・・・?
📷だとちょっと分かりにくいけれど、
黒楽茶碗じゃなくて、
青のような緑のような深い色合いです。
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2019/03/IMG_1127.jpg?resize=588%2C439&ssl=1)
なんと、映画「嘘八百」で
実際に撮影されたお茶碗だそう。
幻の利休の茶器として、
偽物作りの名人が心血注いで造った
「青楽茶碗」という想定です。
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2019/03/maxresdefault.jpg?resize=452%2C254&ssl=1)
黄金の茶室と利休の茶室、対極の茶室体験でした。
![](https://i0.wp.com/hirunenikki.com/wp-content/uploads/2019/01/kawaru.jpg?resize=320%2C180&ssl=1)