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【感想】マルキド・サド「悪徳の栄え」期待外れで、自分史上いちばん苦しい読書だった。

目次

フランス文学=エロいイメージがある

「フランス文学は役に立つ」を読んで、
改めて「フランス文学」って何だろう?と考えてみた。

「フランス文学は役に立つ!」鹿島茂 「カルメン」「にんじん」「星の王子さま」を現代の視点で解説されると、オモシロイ。フランス文学 最近「三つ編み」を読みました。 フランスの現代小説って、面白い。 https://hirunenikki.com...

「個人を追究する」のがフランス文学のテーマだと
鹿島先生が分析していたが、
「エロス」を追究するのもフランス文学じゃなかろうか。

フランス文学って、何となくエロい。

何がエロいのかな。

・・・・・

あ、そうか・・・

「エマニュエル夫人」「O嬢の物語」も
フランス文学だった。

マルキド・サドとは

1740‐1814。フランス革命期の貴族・小説家。軍人として闘った後、法官の娘と結婚したが、乞食女鞭打事件、ボンボン事件などのスキャンダルを起こし投獄される。
生涯の三分の一を獄中で過ごす。大革命とともに釈放されるが、反革命の嫌疑でふたたび下獄、さらにナポレオン体制下に筆禍を招き、死ぬまでシャラントン精神病院に監禁された。

ヒルネ
ヒルネ
自分の倒錯行為&倒錯小説が原因で
獄中生活を送った筋金入りの変態貴族だ

彼の代表作が「悪徳の栄え」

白状すると、
「エマニュエル夫人」と「O嬢の物語」は
若い頃に読んだことがある。

ヒルネ
ヒルネ
古典的なエロを知りたかったんです・・・

だけど、サディズムのマルキド・サドにまでは
手が伸びなかった。
(いじめるのも、いじめられるのも苦手だし。)

とはいえ、読書好きなら
一度は読んでおこうと思って
2年前に手を出してみた。

読んでみた感想は・・・・

ヒルネ
ヒルネ
自分史上最高に苦しい読書だった

なぜなら、
極悪非道の限りを尽くした
残酷な描写が延々と続くから。
気持ち悪くて
読みすすめるのがやっとでした。

エロい性行為のオンパレードなのですが、
全くドキドキしない。
ただただエロ&残虐行為が続く。

ひたすらツライ小説だったんですが、
哲学的な古典小説として
評価も高い・・・・らしい?
ほんまかな。

鹿島先生、サドの小説はフランス文学史において
どういう評価をされているんでしょうか。
ぜひ教えてください(笑)

「悪徳の栄え」のあらすじ

悪のヒロイン「ジュリエット」は女子修道院で暮らす13歳。
ジュリエットは修道院長からひそかに性の手ほどきを受け、
13歳で悪徳の道に目覚めます。

父が破産の後自殺し、修道院を追い出されてからは、
純真な妹ジュスティーヌと袂を分かち、
迷うことなく売春宿へ飛び込みます。

処女売春で荒稼ぎしていたジュリエットは、
その悪党ぶりを見込まれ、
ノアルスイユというお金持ちに目をかけられるように。
彼が1人目の悪の師匠である。

ノアルスイユは彼女の父を破産させた「親の敵」なのですが、
彼女は悪徳を重んじるノアルスイユに師事し、
ついにはノアルスイユ夫人の殺害にも嬉々として参加。
大勢でノアルスイユ夫人を辱めた後
アルコールをかけて焼いて殺してしまう(>_<)
残虐行動に興奮を感じるのだ。

残酷な殺害計画を思いつくジュリエットは
権力者サン・フォン大臣からも寵愛を受ける。
大臣が2人目の悪の師匠である。
サン・フォン大臣はフランスの人口が多すぎるから、
穀物を買い占め、国民の三分の二を餓死させたら
面白いと計画するような大悪党だ。

18歳になったジュリエットは、
3人目の悪徳の師匠である大柄で美しい
未亡人・クレアウィル夫人と出会う。

クレアウィル夫人は女を愛し、
気に入った男は最後に惨殺する。
ジュリエットは、クレアウィル夫人と恋愛関係になり、
「犯罪友の会」に入会する。
「犯罪友の会」はあらゆる倒錯行為・残虐行為を推奨しており、
ジュリエットは愉快に悪徳の道に励む。

このように3人の師匠から悪徳を学び、
ジュリエットは舞台をイタリアに移し、
欲望の限りをつくしていく。

上巻は悪徳の修業編、下巻は世界を股に掛けた実践編です。

ラストでジュリエットは妹のジュスティーヌと再会します。
ジュスティーヌは悪徳の輩にも弄ばれた末に
逃げようとしたところを雷に打たれ死を迎えます。
ジュリエットは妹の死にも動揺することなく
仲間とせせら笑う・・・・。

「悪徳の栄え」では、悪党は人生を謳歌し栄えるのです。

・・・・どうです、
怖ろしい話でしょう。

「悪徳の栄え」で納得いかないところ

悪徳の栄えを読みながら、
描写のエグさと共に
モヤモヤしたことがある。

ヒルネ
ヒルネ
サディズムって、なんなんや?

サディズムに殺人は含まれる?
なぜカンタンに人を殺すのか。

サディズムの定義はこうだ。

サディズムとは
相手の体を痛めつけて満足する性的倒錯。

相手に身体的に虐待を与えたり、
精神的に苦痛を与えたりすることによって
性的快感を味わう。また、そのような行為を妄想して
性的興奮を得る性的嗜好の一つのタイプである。

相手を痛めつけ性的興奮を得るのがサディズムらしいが、
悪徳の栄えでは最後に殺戮するまでがセットなのだ。

ヒルネ
ヒルネ
小説の中で、1,000人以上殺してる!!

うがった見方をすると
フランス革命の時代には
人の命は軽いものだったのかも。

特に平民・売春婦の命は
虫けらのように描写されている。
その現実を(誇張はあると思うけれど)
生々しく書いている。

倒錯を超えた殺戮描写は
革命への抵抗なのではないか。

サドの小説を高く評価する人たちは
こんな時代背景を考慮しているから・・・?

サディストがおとなしく
鞭でおしりを打たせるのってあり?

自分がサドタイプじゃないので、
分からないのですが、
サド=痛めつける側専門というイメージがある。

サドの人は他人に鞭を振るうが、
自分が鞭で打たれようものなら
「キィー!!よくも俺に刃向かったな」と激怒しそうなイメージ。

なのに、サディスト「ジュリエット」は
自分が獲物を痛めつけ楽しんだ後は、
なぜかサド仲間に自分のお尻を提供し、
鞭を受ける描写があるんです。
それでおしりがむち打ちの跡で
傷ついているのです。

ヒルネ
ヒルネ
えー、納得いかない

サディズムの元祖「サド男爵」の小説だけど
サディストの描写として間違ってるんじゃないか・・・?

ここらへん、サディストの人に質問したい。

いろいろ書評を読んでみたけれど、
この部分に言及しているものがないのです。
そりゃ当たり前か(笑)

誰か正解を教えてくれないかしら。

ABOUT ME
ヒルネ
ただいまセミリタイア中。 やりかったことをすることで、自分のこれからを模索中。 カゴ編み、ひとりめしを研究中。おばあちゃん犬のシズカと暮らしてます。

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