本が好き

姫野カオルコ「リアル・シンデレラ」「ツイラク」「昭和の犬」ラストシーンで不覚にも泣く

最近、姫野カオルコの本を読み始めた

「姫野カオルコ」
妙にラブリーな筆名が
気恥ずかしい気持ちがして、
実は読んだことがなかった。

ご本人はこんな感じで
ひょうきんなんだけど(笑)

いつか読もうと思いつつ、
最近やっと読み始めた。

ヒルネ
ヒルネ
読んでみたら、
噂通り面白い。
もっと早く読めば良かった(^^;)

時代を俯瞰してクールに語りながら、
不器用な人間への優しさが同居している
不思議な作家。

どの作品も
読み終わる時に
「ふぅ~。読んで良かった。」
とほんのり温かい気持ちになる。

最初に読んだのは「リアルシンデレラ」

姫野カオルコ 光文社 2012年06月
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リアルシンデレラのヒロインは、
「正直で誠実」だけど、
「不器用で誤解されやすい」

そのため、「親」は
気の利かない彼女を
ぞんざいに扱うし、
「美人の妹」は婚約者を略奪する。
損な役回りだ。

それでも、主人公は特に
恨むことなく、
不器用なやり方で
誠実に優しく生きる。
そして、周囲を幸せにしていく。
それが「リアル・シンデレラ」

ヒルネ
ヒルネ
誰か、彼女の真価を
分かって~!と
叫びたくなるくらいだ

不器用で、誤解されがち。
理解してもらえなくても、
主人公は幸せだった。
幼い頃に、神様と約束をしたから。

時々涙しながら読み、
最後の伝説シーンでは
涙がダダ漏れだった。

こんな小説、今まで読んだことなかった。

2作目は「ツイラク」生徒と教師の禁断の恋

姫野カオルコ 角川書店 2007年02月
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「姫野カオルコ」といえば、
この妙にセクシーな写真が思い浮かぶ。
これで、なんか
読むのが恥ずかしかった。

ヒルネ
ヒルネ
なんとなく
OLと上司の不倫の話でしょ?
と思い込んでいた

ところが、小説は小便くさい
「小学2年生」のケンカシーンからはじまる。

とある田舎の小学生男女が
成長する過程を丁寧に描いていく小説なのだ。

田舎の閉塞感のある描写など
面白いんだけど・・・

ヒルネ
ヒルネ
あれ?
どこでツイラクするの?

はい。
主人公が14歳になってから、ちゃんとツイラクします。

中学2年生女子と
若手教師の禁断愛です。

教師との恋。
言語道断!
ロリコン教師め!
って普通は思うはず。

それがね、
小学生2年から見守っているせいか、
応援したくなるのだ。

ヒルネ
ヒルネ
恋は理不尽なモノです。
出会う時期が悪かっただけ・・・

生徒と教師の恋は、
学校でも少しずつ話題となり、
2人は別れる決断をします・・・・。

不器用であるがゆえに、
現実的な決断を選び
ちゃんとしているけれど
虚ろな人生を進む2人。

姫野氏は、
そんな不器用な2人に
ちゃんとご褒美のラストシーンを
用意してます。

またまた不覚にも
ラストで泣いちゃった・・・。

歳とると、涙腺が弱くなる。

3作目は、「昭和の犬」直木賞受賞作

犬好きなもので、ワクワクしながら読み始めた。
どんな犬が出てくるんだろう。

姫野カオルコ 幻冬舎 2015年12月04日
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(あらすじ)昭和33年、滋賀県に生まれた柏木イク。
気難しい怖い父親と、変わり者の母親と暮らしたのは、水道も便所もない家。
理不尽な毎日だったけど、傍らにはいつも犬がいてくれた。
イクは東京に出て、下宿暮らしをしながら、犬と生活していく。
高度経済成長期の日本を描きながら、濃やかで尊い日々を振り返る。

「昭和の犬」で
「犬と日本人」の関係変化を思いだした。

昔は、犬は庭で飼うものだし、
田舎だったら放し飼いも多かった。

今のように「小型室内犬」なんて、
考えられない時代だった。

小学生の頃、近所の犬との逢瀬が楽しみだった

こどもの頃、犬を飼いたかったけれど
母が犬嫌いで、許可が出なかった。
(その代わり、セキセイインコを
飼っていた。)

ヒルネ
ヒルネ
インコも好きだけど、
やっぱり犬!
犬の可愛さはまた別格なんだ

小学校の下校時に、
可愛い柴犬がいる家に寄って、
遊ぶのが楽しみだった。

遊ぶといっても、
塀の隙間から
手を差し入れて、
柴犬を撫でたり、
手をなめてもらったり。
素朴な触れ合いだ。

それだけだったけど、
毎日飽きずに通ったなぁ。

「昭和の犬」で、
あのワクワク感を思いだした。

ヒルネ
ヒルネ
かわいい柴犬が懐いてくれて、
こども心にめちゃくちゃ
嬉しかったな

昭和にはやった犬が次々登場する。

主人公イクのウチで飼っていたのは
雑種の中型犬。

近所のお金も後の家では、
シェパード、コリー、マルチーズが飼われるように。
(昭和には、テレビドラマの影響で
コリーも流行ったね。)

東京で大学生・会社員になってからは
寄宿している家の犬と関わる人生。

イクは、「ビションフリーゼ」という
室内犬に初めて出会う。

中型犬に慣れているイクは、
「うわー、かわいくない!」と
胸の中で毒づいていて
それが面白い。
(確かにビションフリーゼって、
顔をよく見ると、
そんなにかわいくないと思う。)

「イク・49歳」の楽しみは、散歩中の犬との出会い

高度成長期の時代の中で、
独り身のまま、東京で会社員を続けるイク。
そんな中で、滋賀に通いながら、
父と母を看取ります。

その後気が抜けたのか、体調を崩し、
病気療養で会社を休みながら散歩する日々。

そんな彼女の楽しみは
散歩中の犬たちに会うことだ。

そんな時、昔飼っていた雑種犬「ペー」に
そっくりの犬「マロン」に出会う。

お爺さんではなく、犬がふりむいた。
目が合った。
(描いた。何度も。)

小学生のイクが無地のショウワコートに何度も描いた、
那智黒のようなペーの目が髣髴とよみがえる。

目が合ったそいつはイクに寄ってきた。
イクはすぐにしゃがんでなでた。
そんなことをふだんはしない。

毎朝マロンと合うことで、イクの心身は回復していくのだ。

こうしてマロンは、ただの通りすがりのイクになついた。
とてもなついた。毎朝の幸せな逢瀬。
しんから滋養を与えられるようなひととき。

不覚にも、また泣けた。
この逢瀬の幸福感、小学生の時のわたしと一緒やん。

散歩していると、よく声を掛けられる

ウチの家のシズカ。
15歳のおばあちゃん犬。

歩いてるペースがゆっくりだからか、
いろんな人から声を掛けられる。

おばあちゃんが多いけど、
たまにおじいちゃんも声を掛けてくる。
あとは、小さなこどもたちも。

「可愛いねぇ。」
「赤ちゃんなの?」
「犬なの?猫なの?」
「撫でても良い?」

ヒルネ
ヒルネ
このコ、もう15歳のおばあちゃんです。
がんばってお散歩してます。

と答えると、おばあちゃんたちは
力づけられるみたい。

「まぁ、わたしらと一緒ねぇ。
お互い、がんばろね。」

よく会うようになると、顔見知りになる。
「また会えたねえ。」と喜んでくれる。

ウチのシズカも散歩しながら、
誰かのこころを満たしているのかも。

時々昔飼っていた犬の話を
楽しそうにするおばあさんもいる。
幸せな記憶がよみがえる時間だ。

「昭和の犬」も幸せな読書時間だった。

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次に読みたい「姫野」作品はこちら。

姫野 カオルコ 文藝春秋 2018年07月20日
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(おまけ)
こちらの短編集も面白かったです。おすすめ。

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ヒルネ
ただいまセミリタイア中。 やりかったことをすることで、自分のこれからを模索中。 カゴ編み、ひとりめしを研究中。おばあちゃん犬のシズカと暮らしてます。

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