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メトロポリタン美術館開催の
アビーコレクションがやってきた
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竹工芸=おじいちゃんっぽいイメージがあったのだが、
海外では現代アートとして評価が高いらしい。
メトロポリタン美術館で2017年に開催された
“Japanese Bamboo Art: The Abbey Collection”を
東洋陶磁美術館で再現。
アビーコレクションは世界屈指の竹工芸コレクション。
その竹工芸と、東洋陶磁美術館の陶芸をかっこよく並べていた。
東洋陶磁美術館へは
「天目のきらめき」目当てだったんですが、
予想外に竹工芸がモダンで面白かった。
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竹の曲線がキレイだったのだ。
巨大な竹の門が出迎えてくれます
GATE 四代目 田辺竹雲齋 2020
この展覧会のために造られた大きなゲート。
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ジャックと豆の木のように
1階からグイーッと伸びる。
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見上げると
2階の天井を覆いつくす勢いだ。
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細い竹が集まって、うねる。
まるで生きているような不思議なオブジェ。
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近くで見ると、まだら模様の「虎竹」だった。
鳥の巣の中にいる気分になった。
アビーコレクションが始まるよ
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竹工芸を中心に印象に残った作品を記録します。
「潮」藤塚松星 1978
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材料は、真竹・藤。
千筋の丸ひごの櫛目編み。
潮の渦巻きを表現しているのかな。
曲線が複雑に重なりあって、
メビウスの輪のようです。
「円相」四代目田辺竹雲斎 2019
入口のGATEと同じ作家の作品。
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素材は虎竹。
ドーナツみたいに緩やかに円を描く。
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横からみると、ふくよかな厚みがある。
現代的なオブジェでありながら、
自然のあたたかみもある。
ドーナツの穴から猫が顔をだしてくれないかな。
「舞」本田聖流 2000
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材料は、真竹・藤。
細い竹ひごを縄目編みで波打つように表現し、。
竹を染めて漆で仕上げ。
これはもう“天女の舞”だ。
影も美しく舞っている。
「洸」生野徳三 1993
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材料は、真竹・籐。
白竹のひごを少しずつずらして編む。
細い竹の隙間から差し込む光が
タイトルの「洸」そのままだ。
「舟形花籠 出奔」四代田辺竹斎 2015
こちらの作品もGATEを造った作家だ。
作風がまたずいぶん違う。
材料は、真竹・藤・竹枝。
底部や側面に異なる編み方を組み合わせ、
技巧を尽くしてつくられている。
「白錆花籠 雲龍」飯塚飯塚小玗斎 1990
材料は真竹。
解説文には「真竹の油分を抜いた晒し竹を半分に割り、
しなやかにするために叩いて平らにする」とある。
曲げられる柔らかさあると言っても「力業」だろうな。
思わず二の腕にチカラを入れながら鑑賞しました。
「維新」角田篁玉 1916
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いっけん竹にみえないけれど、材料は真竹。
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細いヒゴの束が絡み合い、うねりを感じさせる。
中心から何か生まれてきそうな予感がする。
「双」東竹園斎 1971
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英語のタイトルは「Pair」
双子を思わせる。
材料は、真竹・籐・漆。
中心を覗き込むと、少しずつずらしながら円を描く。
竹の曲線が美しい。
「瓢型花籠」加藤藤昇斎 1920-1930年代
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この作品は江戸時代の作品。
職人は藤堂藩御用竹細工氏の家系。
綺麗な状態で残っている。
ひょうたん型の花籠。
複雑な編み模様に、ひょうたん型のなだらかなライン。
蝶結びのヒモも籐を編んだものだ。
「菱茭文竹刺編筺籃」飯塚小玗斎 1972-1973
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正倉院御物みたいな竹籠だ。
・・・と想ったら、竹刺繍は作家の父が正倉院宝物から創案した技巧らしい。
なるほど。
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丸ヒゴを経糸、平ヒゴを緯糸のように扱っているらしい。
見れば見るほど、精巧な造り。
ダイナミックな竹細工もあれば、
こんなに精緻な竹刺繍もある。
「花籠 起耕」勝城蒼鳳 1999
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竹の野性味あふれる花籠。
持ち手が胴部から立ち上がる造形に躍動感がある。
「花籠 旅枕」飯塚琅玕斎 1940年代前半
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こちらも野性味あふれる花籠。
力強く交互に編まれた編み目。
飴色に光っている。
ススキをダイナミックに活けると映えそうだ。
まだまだ沢山の竹細工があったけど、
ここらへんで終わり。
竹工芸の中に陶芸をコラボした展示のセンスが良かった。
そこは写真では説明しきれない。
会場で目にしたら、「ニヤッ」とくるはず。
竹工芸と全然関係ないけれど、
最後に大好きなルーシー・リューがあったので載せておく。
ルーシー・リー 青ニット線文鉢 1980年代
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「青いニット模様」と名付けちゃう愛嬌が好き。
ルーシー・リューの作品は端正な中に、
柔らかさがあって大好きだ。