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【感想】「生まれた時からアルデンテ」中二病の食エッセイ 食に関する感覚が繊細で大雑把

目次

「生まれた時からアルデンテ」にイラッとくる?

著者はこう書いている。

私は生まれた時からアルデンテなので、
茹でた麺をザルに放置して
ぷよぷよにするという手間でもって
パスタを殺す所業が理解できないから
芯のないことが誇りのような喫茶店のナポリタンが嫌いだし

そりゃパスタはアルデンテがおいしいよね。

でも・・・・

ヒルネ
ヒルネ
のびたナポリタンにも
別のおいしさがあるよ?

深夜にお腹が空くと何を気取るでもなく
スパゲッティを茹でるし
そもそもスパゲッティじゃなくて
パスタと呼んでいる。

え・・・・?!

ヒルネ
ヒルネ
スパゲッティって呼んじゃダメ?
気取りやさんか!

私がパスタ好きを自認した
小学生の頃に好きだったのは、
からすみと水菜のスパゲティだった。

どうやら私は新しい舌を持っている。

さらに、
カラスミのスパゲッティってところで、ダメ押し。
”どんな小学生やねん”。

おまけに”新しい舌”と来た。
ふーん。

若くてお嬢様で、
味のセンスがいいのよ
って自慢したいのね?

ふん、そんなマウンティングされてもなぁ(^^;)

当時はそう思って、読む気をなくしちゃった。
ところがね・・・?

令和になって読んだら面白かった

「本屋の新井」でこの本の
「他人の家の麦茶は不気味」
というエピソードを読んで
興味を持った。

ヒルネ
ヒルネ
「食わず嫌い」ならぬ、
「読まず嫌い」はいけないなと反省

ちゃんと読むと、とぼけてて、時に暴走する
食エッセイが面白い。

そうか、これは「中二病女子の作文だ
角度を変えると、急に面白くなった。

ダントツに面白いのは、
ロイヤルホストの紳士「小林さん」(仮)

ロイヤルホストで遅番で働く
紳士「小林」さん(仮称)を
追っかけたエッセイが面白い。

紳士「小林さん」の面白エピソードはこちら。

お客さんに、
「お嬢様」「旦那様」「お姉様方」
呼びかける。
始業の時には、
ホールに入る直前に
美しい礼と
「よろしくお願いします」の一言。
まるでここは高島屋のよう。
いらっしゃいませ、
こんばんわ、ようこそ、
ありがとうございます」を
歯を浮かさずに言えるのは
店の中で小林さんだけ
小林さんのサービスは
皿を下げるタイミングも
一定のスピード感も
メニューから顔を上げたら
オーダーを取りに来るところも
声の抑揚も言葉使いも
ウィットに富んだアドリブも完璧だ。

その上、目が死んでいるところに

プロフェッショナルを感じる。

ふふふ・・・。

ヒルネ
ヒルネ
まるで、イギリス映画の
執事みたいな小林さん

小林さん(仮)は、著者が空想で名付けた名字だ。

ある日、ロイヤルホストでも
「フルネーム」の名札が採用になった。

小林さんの本名を知った著者は
深く考えずに
検索してみると・・・・

ヒルネ
ヒルネ
驚きの結果が!

これはやっぱり
実際にエッセイを読んで
おどろいて欲しい。

このオチは秀逸だった。

平野沙希子さん、
実は”料理下手”らしい

平野さんの食の感性
繊細を装っているが
実はおおざっぱだ(と思う)
不思議な味覚だ。

エッセイのタイトルも面白い。

・パンケーキよりはんぺんだ

・血のマカロン時間

・消化こわい

・脳みそのおしるこ味

・ごはんは土足で上がり込む

ね、なんか食エッセイらしからぬ
ヘンテコな感じだ。

Amazonでも評価は二分されている。

そんな訳で
平野沙希子さんは
どんな人か気になって
ブログを訪問すると・・・

平野沙希子さんのブログ 底辺料理記

どうやら、自炊はかなり苦手みたい。

なるほどなぁ。

食いしんぼうだけど、作るの苦手な人。
ぶっとんだ食エッセイに滲み出ている。
読み返すと色々納得したのだった。

平野沙希子さんのInstagramは
普通にオシャレで美味しそうなものの
オンパレードだった。

わたしは断然
底辺料理記の面白さに軍配をあげたいです。

 

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ヒルネ
ただいまセミリタイア中。 やりかったことをすることで、自分のこれからを模索中。 カゴ編み、ひとりめしを研究中。おばあちゃん犬のシズカと暮らしてます。

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