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【感想】「黄金州の殺人鬼」執念のネット捜査は真犯人をどこまで追跡できるのか

目次

翻訳家:村井理子さんのファンなのデス

翻訳家:村井理子さんが手がけたノンフィクション、
「黄金州の殺人鬼」を読んだ。

犯罪ドキュメンタリーが好きなことに加えて、
あの村井理子さんが選んだノンフィクションなら
すごいんだろうと期待したのだ。

「黄金州の殺人鬼」は30年以上未解決だった

黄金州の殺人鬼=ゴールデン・ステイト・キラー。
カリフォルニア州の別名をとって
著者ミシェル・マクナマラが名付けた。

黄金州の殺人鬼は、1974年から1986年まで、
カリフォルニア州で13人の殺人、50人以上の強姦 、
100件以上の強盗を犯した。

彼は周到に獲物を狙い定め、大胆に犯行を重ねた。
カップルの就寝中を襲い、男性を紐で拘束し、
女性を別室で強姦した。
カップルの思い出の品を盗んだ。
時にはその場にある鈍器で撲殺し、
痕跡を隠そうとはしなかった。
何度か追い詰められたが、ギリギリで逃げてしまった。

犯人はカリフォルニア全土で連続殺人事件を起こしたが、
広範囲にわたる犯罪のため、同一犯だと思われなかった。
各地のマスコミによって、異なるニックネームが付けられていた。

●イースト・エリアの強姦魔
●オリジナル・ナイト・ストーカー
●バイセイリアの荒らし屋
●イースト・ベイの強姦魔
●ダイヤモンド結び殺人鬼

ヒルネ
ヒルネ
全部1人の犯罪だったとは・・・!

犯行時は覆面をしていたが、
覆面なしの似顔絵もいくつも存在する。

特徴は白人男性・25-30代・175-180㎝、
くすんだ金髪、靴のサイズは27-27.5インチ
水泳選手のような体つきにたくましい脚をしていた。
証拠を多数残し、指紋はないがDNAは残っていた。
ただ30年前だったので、
DNAの照合技術がなかったのだ。

ヒルネ
ヒルネ
その後DNAによる照合技術が進み
大きな進歩があった!!

2001年DNAテストにより、イースト・エリアの強姦魔と
オリジナル・ナイト・ストーカー”は同一人物であると判明。

警察は、犯罪者たちのDNAデータベースの中に
犯人がいないか照合を続けるが、
黄金州の殺人鬼のDNAは一致しなかった。

犯人はもう死んでしまったのか。
それとも捜査の手を逃れ、今も野放しなのか。

作家ミシェル・マクナマラが
自らのサイトで犯人を追跡する

犯罪ジャーナリスト・作家ミシェル・マクナマラ
2006年にウェブサイトTrueCrimeDiaryを立ち上げる。

ここで犯罪マニアたちと共に
「黄金州の殺人鬼」に関する様々な証拠を収集・検証。
警察とも連携捜査を行なっていく。

彼女は犯人が野放しになっているという事実を啓発する為、
一連の事件の犯人を “ゴールデン・ステイト・キラー”と名付ける。

真犯人発見を目指すミシェルの活動で
世論は盛り上がった。
しかし残念なことに彼女は
2016年就寝中に心臓疾患で急死した。

この著書はミシェルが途中まで書き、
後半は夫や仲間が残された資料をもとに執筆している。

途中まで彼女がそれぞれの犯罪を
リアルに描写しているが、
彼女が書きたかったエンディングはどのようなものだったのか・・・。

ミシェルはこの本で真犯人を追い詰め
逮捕することを望んでいただろう。

ヒルネ
ヒルネ
真犯人を想像して
彼に向けて書いた手紙もあった。

・・・無念だったろうな。

ミシェルは真犯人を直接絞り込むことはできなかった。
けれども社会の注目を集め、
真犯人追及の機運を高めたことが
犯人逮捕につながったと言える。

途中で亡くなってしまい、無念だったろう。
読んでいるわたしももやっとした感覚だった。

「ブラック・ダリア事件の真実」を再読したくなった

有名な未解決事件の真犯人捜しは
時を経た後でもたくさんされている。

その中で、ブラックダリア事件の犯人を追及した
「ブラックダリアの真実」は信憑性があって
読みながら震えました・・・。

この本では、元刑事スティーヴ・ホーデルが
自分の父・ジョージ・ホーデルが殺害犯だと推理している。
証拠として、父の遺品からブラックダリアに似た写真が多数発見されたこと、
父がサディストであったこと、外科医として胴体を切断する技術があったためだ。
元刑事らしく証拠を積み上げて書かれたので説得力がありました・・・。

黄金州の殺人鬼を読んだ後、
なぜかこの本を読み返したい。

ABOUT ME
ヒルネ
ただいまセミリタイア中。 やりかったことをすることで、自分のこれからを模索中。 カゴ編み、ひとりめしを研究中。おばあちゃん犬のシズカと暮らしてます。

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