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【感想】「1ミリの後悔もない、はずがない」オトナになった桐原に会いたい

喉仏の美しい”桐原”との出会いが少女の運命を変える

「西国疾走少女」中学生の恋物語

中学生のわたしが好きになったのは、背が高く喉仏の美しい桐原。
貧しくて問題だらけの家庭で悩みはたくさんあったけれど、
桐原はわたしを大切にしてくれた。
あの日々があったから、夜逃げをして
そのあとたくさんの絶望を味わったけれど、
わたしは生きてこられた――。

ひりひりと肌を刺す恋の記憶。
出口の見えない家族関係。
人生の切実なひと筋の光を描く究極の恋愛小説。

喉仏の美しい中学生って、セクシーだよね?

桐原は背が高く、机から脚がはみ出るくらい長かった。
そして美しい喉仏をしていた。
主人公の“由井”は彼に色気を感じる。

ヒルネ
ヒルネ
表紙は喉仏の美しい桐原だ。

由井と桐原は同じクラスになり、
少しずつ話すようになる。
スキー旅行で2人でこっそり会い、
先生に見つかり罰を受ける。

中学生の恋人たちには甘美な罰だ。

あの日しゃべった内容はほとんど記憶から消えてしまったが、
ひとつだけ明確に覚えていることがある。
それは「うしなった人間に対して1ミリの後悔もないということが、
ありうるだろうか」
というものだ。
桐原が発した問いだった。

題名の「1ミリの後悔もない・・・」は桐原の言葉だった。

由井は桐原の言葉をその後何回も思い出す。
由井と桐原はお互いに真剣につきあっていたけれど、
はなればなれになったから。

桐原と出会ってはじめて、自分は生まれてよかったのだと思えた。
彼を好きになるのと同時に、すこしだけ自分を好きになれた。
桐原がわたしを大事にしてくれたから。

桐原と離れてしまった後悔はあるけれど、
由井は今の自分が好きだ。
桐原との恋が由井を生かしてくれた。

こんな恋をする確率って奇跡だ。
素直にうらやましい。

桐原は中学生ですでにイイ男だった。
いまの桐原はどこで何をしているんだろう。

オムニバス形式で小説は続く

中学生の恋から始まり、
共通の登場人物が主人公となって物語は続く。

少しずつつ見えてくる
それぞれの人生が興味深い。

ドライブスルーに行きたい

ゆいの親友だったミカが主人公。

社会人になったミカは偶然に
中学生の頃憧れていたバレー部の高山先輩と再会する。

ヒルネ
ヒルネ
学生の頃、モテモテだったスターが
大人になると輝きが失せている

過去にスターだった意識が強くて
デブった中年になっても
かっこつける男子っている!
セックスも下手なんだけど、
本人は上手いつもりでいるようだ。

ある・ある・ある!
この情けない感じがリアルすぎて
苦笑しながら読んだ。

真剣な中学生の恋の後に
スレちゃった大人のだらけた情事。

大人になるってむなしいけど、たくましい。

潮時

「潮時」の主人公は2人いる。

由井の夫”雄一”がトラブルが起こった飛行機で
由井との出会いを回想するシーンで始まる。
雄一も苦労した子ども時代を過ごし、
夜間大学で由井と出会ったのだ。

同時並行で、由井の同級生だった”加奈子”が
欲求不満たっぷりの主婦として
日常を回想するシーンになる。

加奈子は桐原に片思いしていて、
由井のことが大嫌いだった。
貧乏で冴えない女だと由井を馬鹿にしていた。
でも未だに桐原に告白できなかったことを後悔している。

ヒルネ
ヒルネ
雄一と加奈子の人生は
どこで交差するんだろう?

そう思って読んでいくと・・・
ラストの1行で見事にクロスする。

職人技だー!
そう来たか!

・・・という見事なオチでした。

穴底の部屋

中学生の頃モテモテだったバレー部の「高山先輩」と主婦「泉」の不倫の恋。

高山はコンビニでバイトをしながら
司法試験合格を目指している。

高山には遊びで寝る女が何人もいる。
テクニックも巧みだ。
主婦の目線から見ると、
ただれた生活だけどモテ男なのだ。

ミカからみた高山先輩は、落ちぶれたスター。
主婦「泉」からみた高山くんは
だらしないけどモテる色男。

女の目線で、男の見え方も変わる。
それが面白い。

千波万波

最後の話では、由井の娘の「河子」の目線で話が語られる。

河子(かこ)は中学生。
友だちに心当たりもなく仲間はずれにされて
学校に行きたくなくなった。

母親の由井は河子の話を聞くと、
娘を連れて一緒に旅をする。

青春18切符で西へ向かって九州へ。
ついに由井の故郷へ降り、
中学時代の同級生「幸太郎」にあう。
由井は幸太郎の隣のボロ屋に棲みついた。
幸太郎の母は貧乏な由井の家の面倒をみてくれた。

由井たちは夜逃げで、それから音信不通だった。
幸太郎の母にお礼を言いに立ち寄ったのだが・・・・

ヒルネ
ヒルネ
最後の1ページで、
またもやサプライズがあった!

ネタバレになるから書かない。
わたしにとって嬉しいサプライズだった。

中学生の恋がまだ続いていた。
おばさんが読んでも、キュンとくる。

このキュンを体験するために
この短編集を読んで欲しい。

大人になった桐原に会いたい

喉仏の美しい桐原、中学生の頃でもうイイ男だった。
男気があり誠実さもあり、頭も良かった。

高校生の桐原。
大学生の桐原。
社会人の桐原。

どんな女性と結婚したのかな。
どんな家庭を築いているのかな。

想像してみるけど、
さらにイイ男になっていて欲しい。

大人になった桐原に遭ってみたかったな。

ABOUT ME
ヒルネ
ただいまセミリタイア中。 やりかったことをすることで、自分のこれからを模索中。 カゴ編み、ひとりめしを研究中。おばあちゃん犬のシズカと暮らしてます。

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