本が好き

【感想】「変半身」村田沙耶香 ニンゲン終了!! 予想を超えたきもち悪さ!!!(褒め言葉です)

ニンゲン脱皮?ニンゲン終了!!
いったいなにが起こったの?

「変半身」は演劇界の鬼才・松井周と練り上げた異色作品。

離島を舞台として「祭り」から物語は始まる。

太平洋に浮かぶ離島・千久世島。
造物主「ポーポー様」なる独自の神話を
持つ島では「海のもん」と「山のもん」が
時折いがみあいながらも共存してきた歴史があった。
島では年に一度、秘祭「モドリ」が行われる。
14歳で「モドリ」に初参加となる私と親友の花蓮は、
モドリの生贄が同級生の高城くんだと知る。
わたしは高城くんがずっと好きだった。
高城くんは裸に覆面を被らされ、
火の消えた松明で村人に殴られる。
瀕死の状態の高城くんを連れて
わたしと花蓮は島を脱出しようとするが――。

ヒルネ
ヒルネ
因習に囚われた離島の秘祭、
おどろおどしくて、
手に汗を握る。

・・・と思ったら、ストーリーは大きく方向転換!

ストーリーのひっくり返しが2回もあって、
最後は“ニンゲン終了”ですよ。

村田沙耶香といえば、
10人産めば1人殺していいとか、
ニンゲンの肉を食べちゃうとか
トンデモ設定で狂ってるんだけど、
今回もやっぱり狂ってた。

気持ち悪いくらい
狂ってる。

ヒルネ
ヒルネ
↑褒め言葉です

あなたがずっと常識だと信じてたことは
誰かの嘘かもしれないよ?
だまされるな。

村田沙耶香が一貫して
書いてるのはこれだ。

今回も狂ってるけど
まともでもある。

自分の常識をグラグラさせられるから、酔いそう。
オエッと吐きそう。
きもち悪いと思いながらも
また村田沙耶香を体験したくなるのだな。

村田作品の“呪い”を書き起こしてみる

クレイジー沙耶香の作品をいくつか読んでみた→こちら

毎回きもち悪くなりながら(褒めてます)
村田作品の根底には“呪い”があるんじゃないかと思う。
自分で咀嚼するために”呪い”を文字にしてみた。

夫婦はフツーの性交はしない

村田作品の主人公は結婚しているケースが多い。
ただし、夫婦でもいわゆる「フツー」の性交はしない。
変半身でも結婚しているけど、合意の上のセックスレス。
村田作品の夫婦は、生々しいフツーのセックスが苦手なのだ。

【感想】「消滅世界」 人間の本能って?セックスも家族も消滅。こどもは産みたい?セックスも家族も世界から消える?! 消滅世界 村田 沙耶香 河出書房新社 2018年07...

「人類」の継続は史上命題だ

村田作品の社会では、フツーの性交が減っている。
それだと人口減少が止らないから、
政府は不自然な手段を使って、
人類を増やそうとする。

「消滅世界」では試験管ベイビーで
出産するのが常識になっている。

「殺人出産」は10人産めば
1人を殺しても良いという条件で
出産数を増やそうとする。

【感想】「殺人出産」10人産めば1人殺せる。誰を殺しますか?「殺人出産」村田沙耶香 タイトル通りショッキングな小説 年明け早々、心臓がギュッと震える怖い小説にあたってしまった。 ...

夫・恋人は優しいが壊れつつある

「半変身」の「高城くん」もそうだし、
「地球星人」の夫も優男のタイプ。
男を振りかざさず、ヒロインの気持ちを尊重してくれる。
いい人なんだが、繊細でぶっ壊れそうな弱さを内包している。
はい・・・ラストでたいていぶっ壊れるのです。

【感想】「地球星人」どこまで狂うの?衝撃のラストに鳥肌がたつ。コンビニ人間の次は「地球星人」 鳥肌がたつ気持ち悪さ。 村田沙耶香の小説は、 常軌を逸していてヤバい。 芥川賞受賞作「コンビ...

ヒロインは疎外感に怯える

主人公は一見平凡に見える女性ばかりだ。

彼女たちは社会のルールから外れないよう
空気を読んで生きているが
常に生きづらさを感じている。

社会から反逆者として抹殺されないよう
怯えて生きているのだ。

ラストは大爆発する!!

村田作品のラストは
想像の斜め上を行く、きもち悪さで終わる。

主人公はずっと自分を抑えて生きているが、ラストで解放される。
大爆発だ!

変半身の場合は、「ニンゲン終了!」

ヒルネ
ヒルネ
ポーポーなのだ!!

↑読むとこのセリフの意味が分かります。

そして・・・
爆発の後には新世界がやってくる。

ABOUT ME
ヒルネ
ただいまセミリタイア中。 やりかったことをすることで、自分のこれからを模索中。 カゴ編み、ひとりめしを研究中。おばあちゃん犬のシズカと暮らしてます。

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